勝てる構成を選んだ橋本 満身創痍でも３連覇 - 産経ニュース

【第７７回全日本体操個人総合選手権】男子決勝　３連覇を達成し、ポーズをとる橋本大輝＝東京体育館（撮影・福島範和）

体操の個人総合で争う全日本選手権最終日は２３日、男子決勝で２１歳の橋本大輝（順大）が予選２位から逆転し、３年連続３度目の優勝を果たした。

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満身創痍でも王者は勝ち切った。橋本は今年に入って判明した腰の疲労骨折に加え、大会直前の会場練習で右足首を負傷していた。一時は歩行にも影響がある中、予選２位からの逆転優勝。「ほっとしている」。安堵の表情を浮かべた。

疲労骨折が判明した直後、母校の千葉・市立船橋高へ教育実習に向かった。連日、学校業務が終わった後は高校生との練習に参加。腰の負担が少ないあん馬に重点的に取り組み、「もう一度、基礎から見直せた」。小さくなっていた旋回で、足先を遠く回すことを意識。昨季落下が目立った種目で手応えをつかんでいた。

この日は２種目目であん馬に臨み、途中危ない場面もあったが、乗り切った。「このまま順調にいけば優勝できる」と、この時点で最終種目の鉄棒で難度を下げる方針を決定。体調を考慮しながら勝てる選択に舵を切ることができた。

万全でなくとも勝てるのが、２１歳の強みだ。昨年の世界選手権では、手首の痛みなどを抱えながら個人総合を初制覇。体調に不安があっても「ちゃんとやれれば優勝できるという自信になった」。気持ちに余裕が生まれ、ちょっとやそっとでは動じなくなった。

世界王者の自負が、勝利への執着心を生んでいる面もある。内村航平以来となる３連覇にも「（内村の１０連覇に比べれば）少ないなと思う。連覇を途切れさせたくない」。今後も王者に君臨していく。（小川寛太）

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