仙台七夕まつり(6~8日)を代表する独創的な大型飾りを出してきた笹かまぼこ製造・販売の鐘崎(仙台市)が、過去の作品を再構成して新たな世界観を表現した特別演出「天空の祈り」を、本社敷地内の七夕ミュージアム(若林区鶴代町)で展示している。大型飾りがあった青葉区の一番町店が昨年、閉店。展示場所は変わっても伝統を守り継ごうと、同社は今後も七夕関連イベントを続ける。
特別演出は、同社の「未来の七夕プロジェクト」の一環。新型コロナウイルス禍やロシアのウクライナ侵攻で社会に閉塞(へいそく)感が漂う中、星に願いを託す七夕の価値を見直してもらおうと企画した。
館内の照明を絞り、青を基調とした調光で幻想的な空間を演出。一帯に竹灯籠を並べ、星祭りの雰囲気を表現した。来場者は普段と違う趣の飾りを見上げ、カメラに収めるなどして楽しんでいる。
仙台市八幡小4年の石山壮太君(9)は「アーケードに並んでいた時とは違う雰囲気で、とてもきれい。たくさんの人の願いが込められていると感じた」と話した。
鐘崎は近年、外部デザイナーと連携するなどして現代的な意匠の七夕飾りを展示。一番町店の飾りは、15年連続で審査会の金賞に輝き、「七夕まつりの顔の一つ」(関係者)だった。同店は昨年、コロナ禍の売り上げ減少や施設老朽化などから閉店。表現の場はミュージアムに集約し、今後も七夕関連の企画を続ける計画だ。
社長室の渡辺志織さん(34)は「(商店街で見てもらえない)寂しさもあるが、場所は変わっても伝統文化を継承して地域を盛り上げようとの気持ちは不変。さまざまな取り組みを検討したい」と前を向く。
特別演出は8日まで。まつり期間中の6~8日は他に仙台育英高書道部によるパフォーマンスや和太鼓のライブなども行う。連絡先は七夕ミュージアム022(231)3406。
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