クラウドサービスを利用したシステムを構築・運用するに当たり、IT技術者が学ぶべきポイントを3つ紹介した。これらは大きく分けると設計時に求められることと運用時に求められることに分けられる。特集の第2回では設計時に求められることについて解説しよう。
クラウドサービスを利用してシステムのインフラを設計する際に、IT技術者が学ぶべきクラウド特有のスキルは2つある。1つは可用性を高めるスキルだ。クラウドサービスでもサーバーメンテナンスや障害対応のためにサーバーがダウンする時間がある。
こうした作業はユーザー企業がコントロールできず、ユーザーがシステムを動作させておきたい時間に発生する場合がある。このため適切にシステムを冗長化するための知識や技術が求められる。
可用性を高めるクラウドならではの工夫
クラウドベンダーはシステムの稼働時間を、SLA(Service Level Agreement)として提示している。SLAはサービス提供者と利用者の間で合意したサービスの提供水準を意味する。クラウドサービスでいうと、サービスが1カ月間のうちに稼働している時間の割合として提示する。サービス提供者が提示したSLAを実際の稼働率が下回った場合、利用者は返金などの対応を受けられる。
利用するサービスのSLAを把握した上で、複数のデータセンターからなる「アベイラビリティーゾーン(AZ)」や、AZの集合体である「リージョン」をまたいだ冗長構成のシステムを設計する必要がある。ディザスターリカバリーに近い冗長化だ。例えば米Amazon Web Services(アマゾン・ウェブ・サービス、AWS)であれば、日本国内にある東京と大阪の2つのリージョンで冗長構成にできる。
AZ内のとあるデータセンターで通信障害が起きても、他のAZに予備のシステムを構築していれば切り替えられる。また例えば東京と大阪、あるいはさらに遠い北米など物理的に離れたリージョンを利用して冗長化すれば、大規模な自然災害が起きたとしてもどちらかのリージョンが無事な確率が高まる。
複数リージョンを使って冗長構成にするのは、クラウドサービスのメンテナンスウインドーの観点でも欠かせない。パブリッククラウドサービスは様々なユーザーが共同で利用している。当然ながら「サービスインフラのメンテナンス時間はサービス事業者が決める」(さくらインターネットのクラウド事業部プラットフォーム部基盤ユニットに所属する温井裕介氏)。想定した時間に確実にシステムが稼働できるようにするには、サービスインフラのメンテナンス中にも別リージョンで稼働できるような冗長構成をユーザー側で作っておく必要がある。
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