Search

秋以降は負担増の懸念 安定的な電源構成の構築不可欠 - 産経ニュース

送電線=熊本県

大手電力7社の家庭向け電気料金(規制料金)の値上げが了承された。当面は政府の激変緩和策による支援(月2800円)などで負担額は抑えられそうだが、現状の支援は9月末までで10月以降の対応は未定だ。日本は石油や天然ガスなど火力発電燃料のほぼ全てを輸入に依存する。ウクライナ危機で不安定さを増す化石燃料の国際価格に振り回されるままのエネルギー政策では、家計も国も守り切れない。

「7社中5社が値上げ申請前より低い料金水準となる」。16日の閣議後会見で西村康稔経済産業相は、2月からの激変緩和措置の効果で、実際の電気料金の上昇は押さえ込まれていると強調して理解を求めた。

今回の規制料金値上げ申請は、岸田文雄首相が指示した審査の厳格化で長期化した。燃料価格や為替レートが申請段階から変化しているとして、審査の途中で7社に再算定を求める異例の経過もたどった。

厳格な審査で、結果的に値上げ幅は大きく圧縮された。政府の激変緩和策に加え、太陽光や風力など再生可能エネルギー事業者が発電した電気の販売収入が増えれば機械的に単価が下がる再エネ賦課金の減額幅(月820円)も、実質値下げへの追い風となった。

とはいえ、都市ガスの負担軽減策も含めた家計や企業のエネルギー負担の緩和には、すでに約3兆1千億円の予算が投じられている。激変緩和策を際限なく続けることはできない。賦課金も今年度は初の減額となったが、来年度以降は再び増加に転じる可能性もある。下落傾向にある天然ガスなど火力発電用燃料価格も「中国や欧州の需給状況次第で国際的な市場価格は大きく変わる」(エネルギー経済社会研究所の松尾豪代表)リスクがある。

今回、値上げ申請をしなかった関西電力や九州電力では原子力発電所の再稼働が進み、電気料金が他電力より安くなり、工場誘致なども盛んだ。安価な電力を安定的に利用できる環境整備という根本的なエネルギー安全保障体制を確立しなければ、財源はいくらあっても足りず、電気料金値上げ申請は繰り返されることになる。(永田岳彦)

標準家庭の月の負担増は2千円程度~5千円程度 電気料金値上げ

Adblock test (Why?)



from "構成" - Google ニュース https://ift.tt/9bI7kZf
via IFTTT

Bagikan Berita Ini

0 Response to "秋以降は負担増の懸念 安定的な電源構成の構築不可欠 - 産経ニュース"

Post a Comment

Powered by Blogger.