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柚子を愛した米国人が起業「キミノ・ドリンクス」に学ぶべきこと - まぐまぐニュース!

1月19日から21日かけてサンフランシスコで開催された「第45回ウィンター・ファンシー・フード・ショー」のレポートを『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』の著者で、マーケティングのプロでもあるりばてぃさんが届けてくれました。今回は、日本の柚子に惚れ込み柚子を使ったドリンクを製造・販売しているアメリカの会社を紹介。海外で日本の食材を使った商品を販売するときに、プレゼンの仕方やデザインなど、学べる点が多いようです。

【前回記事】● 米国にノンアルコール飲料ブームの兆しで日本企業にもチャンス

柚子を愛して起業

前回に続いてサンフランシスコで開催された「ウィンター・ファンシー・フード・ショー」(45th Winter Fancy Food Show)から。いろいろ取り上げたい話題は多いがひとまず今回で最後。

ご紹介するのは、フード・ショーの新商品エリアを紹介するWhat’s New,What’s Hot!に出展していた「キミノ・ドリンクス」(Kimino Drinks)。2017年にマーク・シュラゲターさん(Markus Schlageter)が起業した会社で日本の柚子や梅などを使った飲料ドリンクを生産販売している。

出展ブースは木目を基調に和っぽい感じを表現していてぱっと目を引く洗練されたデザイン。思わず吸い寄せられて立ち止まった。展示してある商品デザインもとってもシンプル。柚子を使ったドリンクには「Yuzu」とローマ字で書かれ、柚子の写真タイプの絵が描かれている。そして試飲用に置かれているコップは和柄の小さいコップだった。

興味深く商品をみていたところすっと駆けつけてきたのが創業者であり代表取締役のマーカスさん。さっそく試飲を勧められ飲んでみると、日本人の想像する柚子ドリンクとは違った。日本人の想像する柚子ドリンクは比較的甘めの印象。でもキミノのは甘すぎずすっきりした飲みごこち。柚子エキスを天然の炭酸水で割っているとのこと。どうりですっきりした味わい。他に梅を使ったものもあり、どれも甘すぎずすっきりしている。

それにしてもブースのイメージがあまりにも和風なのだけど、販売はどうみても日本人ではない。当然英語を話す。すごくいきさつが気になって柚子を使ったドリンクを作った理由を聞いてみた。

マーカスさんはもともとバーを経営していてカクテルを作っているときに柚子に出会い感動。日本の柚子農家の運営にも関わるほど好きになってしまい、日本に住みながらキミノを創業したのだそうだ。どうりですっきりした味わいなはずだ。そのまま冷やして飲んでも美味しいけどカクテルにも使えるような飲み物となっているのである。

マーカスさんはキミノ以外にもいろいろ手掛けたご経験を持っていて、例えばすでに売却してしまったそうだがドイツ料理のチェーン店の共同創業者だったこともある。長く飲食ビジネスに携わってきた中で、日本の土壌の日本の農家さんだからこそ作れる柚子や梅、みかんは世界の人たちも好きになるのではないかと考えたのだそうだ。

だからキミノの公式サイトには、実際に柚子や梅などを生産している農家さんたちの写真やメッセージを掲載して日本産を強調している。

ご参考キミノ

現在は主にアメリカを中心に販売しておりニューヨークのレストランにも卸しているとのこと。日本のものを好きで海外に広めてくれている人は様々な分野でいるけども、日本の食材を使ってドリンクのような加工品として販売している事例は少ない気がする。

今回のフード・ショーにJETRO主導で日本の企業も多数出展し美味しいものも多数あったけど、商品のプレゼンの仕方や商品デザイン、もちろん味についてもキミノから学ぶこと多いように感じた。

image by: shutterstock

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March 24, 2020 at 03:57PM
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