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いじめ訴える女児に適切な対応せず、自殺未遂 山口・下関の市立小 - 毎日新聞 - 毎日新聞

いじめ訴える女児に適切な対応せず、自殺未遂 山口・下関の市立小 - 毎日新聞 - 毎日新聞

=ゲッティ

 山口県下関市の市立小学校が、いじめ被害を訴える女子児童が自殺を考えている事実を10月下旬に把握しながら約1カ月間適切な対応をせず、この児童が自殺未遂をしたことが関係者への取材で判明した。学校は児童が自殺を図った後の今月5日、いじめ防止対策推進法に定める「重大事態」と認定。児童にけがはなかったが、現在も登校できない状態だ。市教育委員会は「もっと早く対応できた可能性があった」と学校の対応のまずさを認めている。

 学校や市教委によると、女子児童は10月中旬、校内で転倒して腕や顔を打ち、全治約2週間のけがをした。「複数の男子に足をかけられて転んだ」と訴えたが、相手側の児童が否定したため、学校はいじめの基準で一番軽度な「日常的衝突」と判断して市教委に報告し、調査を終えた。

 間もなく女子児童は「学校に行くなら死にたい」と漏らすようになり、休みがちに。保護者によると、スマートフォンで「きれいな死に方」と検索した形跡も見つかり、担任らへ連絡した。数日後、女子児童は登校できたが、前回と同じ児童の一部と再びトラブルになった。学校は蹴られたとする主張に対し「わざとではなかった」と結論。保護者は同日、警察にこれまでの経緯について相談した。

 保護者から警察に相談したと知らされた学校は対応を協議し、女子児童の登校時は校長らが教室で授業中の様子を見守るなどの対応を決めた。この時点で学校は、女子児童が自殺をほのめかしていることを市教委に報告したとされるが、市教委では情報共有されず、担当者は事実を把握していなかった。

 11月中旬になると女子児童は学校を完全に欠席。学校は登校するよう電話で促すなどしていたが、女子児童は今月4日、自宅でナイフを首の近くに当て自殺を図ろうとし、保護者に止められた。市教委は翌日、心身に重大な被害が生じた疑いがある「重大事態」と認定して対応するよう学校に指示した。

 文部科学省のガイドラインは重大事態について「疑いが生じた段階で調査を開始」「保護者から申し立てがあれば学校が『いじめの結果ではない』と考えたとしても報告・調査に当たる」と明記している。校長は取材に対し、認定が遅れた理由について「欠席日数が重大事態の目安となる30日に達していなかった」と釈明。市教委は「自殺願望を把握した時点で重大事態になりかねないと受け止めていれば、もっと早く対応できた」と認めた。

 学校と市教委は今後、事実関係を再調査するが、保護者は「最初から訴えていたのに対応してくれなかった。ここまで子供を追い込んだことは許せない」と不信感を募らせる。

50代男性教諭の不適切指導で調査中

 この学校では、50代男性教諭が同僚や児童に暴言を放つなど長年不適切な指導をしていたとして、市教委が調査に乗り出している。

 問題が相次いでいることについて鳴門教育大(学校教育学)の阪根(さかね)健二教授は「学校内の信頼関係が崩れるとさまざまな問題が起きやすくなる。子供や保護者の訴えに対して組織的な対応を怠っていたのではないか」と指摘している。【坂野日向子】



2019-12-16 04:44:00Z
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