

2人の当選を受け、24日には参議院事務局職員が舩後氏と面会。舩後氏は「私どもの受け入れに積極的でありがたく思う」と介助者を通じて述べた上で、多くの税金を使っての大規模改修は望まず、投票や挙手の際に意思を伝えるロボットの使用を希望したという。

26日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、1977年に車椅子の利用者として初めて国会議員になった八代英太氏を招き、障害者と国会について話を聞いた。

「銀座でひっくり返った時、善意で救急車を呼んでくれたりしたが、私の車いすを起こそうとした人はいなかった。なぜなら、触ったことがないから。そんな中、私を抱きかかえて車いすに乗せてくれたのは外国人観光客だった。芸能界にいた頃は、モノマネなどをして私なりに笑わせることができていた。だが、車椅子になってから同じことしても"笑っては悪い"ということで、人々が笑わなくなった。"これを変えるにはどうすればいいか"と考えると、最後は政治になる。家内は大賛成だったが、実家や仲間からは大反対された。それでも同じ障害を持つ仲間たちのことを思い、"負けてもいい。選挙に落ちるなんて、舞台から落っこちることから比べたらどうということはない"とチャレンジした。議員になる前、議事堂に傍聴へ行きたいと申し入れをしたことがあったが、"車椅子では傍聴できない"と言われた。そこで議員会館に陳情に行こうとすると、入口に階段が13段あるので、貨物用エレベーターで上がってくれ"と言われ、対応しているトイレもありませんと言われた」。

それから4年後の1977年、40歳で参院選に初当選、「車いすが人手を借りずに堂々と正面から入れるように早急にやって頂きたい」と国会のバリアフリー化を訴えた。1999年には小渕内閣で郵政大臣として入閣。その際には官邸にも車椅子用のリフトが設置された。
「私はよく車椅子の国会議員第1号と言われるが、実は鳩山一郎元総理も人に見られないところでは車椅子に乗っていた。その頃は偏見のあった時代なので、人に見られるところでは杖をついていた。国会議事堂は昭和11年にできた建物なので、車椅子の議員が誕生することは考えていなかった。しかも階段だらけで、参議院だけも386段あった。20〜30億円の費用がかかるらしいということが報じられ、私のところに"福祉にそんなに金をかけるな。俺の税金を独り占めしやがって。階段を這い上がってでも行け"といった電話がかかってきたこともあった。それに負けてはダメだが、私が当選したことで"福祉はお金がかかる"というイメージが広まるのも困るそこで初登院の前から、積極的に知恵を出した。例えばトイレもアコーディオンカーテンのようにすれば、数万円でできる。"職員の方が書類をカートで運ぶときにも使えますよ"と、私の家に昇降機を見に来てもらったこともあった。それでもトータル5000万円くらいはかかったと思うし、申し訳なかったとは思うが、簡素化されたバリアフリーを導入することができた。国会議員になる権利は国民全てにあるし、これからどういう障害を持った人たちが来るか分からない。今の内に徹底的にバリアフリーをやっておくべきだということで、バリアフリー法に取り掛かった」。

乙武は今回の動きについて「舩後さんや木村さんの意思が極力尊重されていて、非常に前向きなものだと評価していいのではないかと思う」との考えを示した。ただ、舩後氏は話すことができず、歯で噛むセンサーや目でのPC操作、文字盤などで意思伝達を行う。



■「民主主義の場、政治の場から排除されていい人間などいない」

舩後氏は当選前、「人間の価値を生産性で測らない教育を導入したいと思っている」とも述べている。


新田氏は「本当にすばらしいことで、八代さんの時代から、ある種の"正面突破"で事態を動かしていくことも必要で、今回もこうやって事態が動いている。ただ、やはり党としては2人が責任を全うできるようサポートしなければならないし6年後に再び選挙に出るのであれば、その時には実績や、社会へのインパクトも問われていくと思う」と指摘。元経産官僚の宇佐美典也氏は「議員としての資質と、障害のある・なしは関係ない。むしろ、まとめて事前に質問を送り、まとめて答えてもらうといった高度なやりとりも出てくると思うので、より高い能力が求められる部分もあると思う。そこに関しては一人の議員として見ていくべきだ。ただ、一つの会派が障害者だけということは、議院運営委員会などで代弁し、調整してくれる人もいないということ。そこは山本太郎代表の選挙戦略における判断は無責任だったと思う」との見方を示した。

26日に総務省で行われた参議院議員選挙の当選証書付与式で証書を受け取り、参議院議員となった舩後氏と木村氏。舩後氏の介助者は「"感無量だ。言葉もありません"ということを今文字盤で読み取った」とコメント、木村氏も「障害を持っている人たちや社会的弱者と呼ばれている人たちが住みやすい街に、住みやすい国になって欲しいと思っている」と話した。初登院は来月1日。2人の新人議員の活動に注目が集まる。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
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2019-07-28 01:45:00Z
https://news.livedoor.com/article/detail/16842374/
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