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ピアニスト、横山幸雄の「ショパン物語」 台本・構成・朗読・演奏を一人で - 産経ニュース

「初めて聴く方にもマニアの方々にも新たな世界を感じてほしい」と話す横山幸雄(江原和雄撮影)

聴衆を楽しませる新たな企画に意欲的なピアニスト、横山幸雄(52)が「横山幸雄の『ショパン物語』」と題したコンサートを行う。ショパンの生涯を朗読でたどり、朗読の合間にショパンの作品を演奏する。台本やコンサートの構成、朗読やもちろん演奏も横山一人が行う。「演奏会にはいろいろな形があっていい。平日の昼間なのでサロンコンサートのイメージです」と話す。

前人未踏

横山は1990年、ショパン国際ピアノ・コンクールにおいて歴代の日本人として最年少で入賞。世間の耳目を驚かせたのは2010年に行った「ショパン・ピアノ独奏曲 全166曲コンサート」がギネス世界記録に認定され、翌年、212曲を演奏して記録を更新した。また15年にはラベル生誕140年を記念してパリでラベルの全ピアノ独奏曲演奏会を開催。ゴールデンウイークのショパン演奏会は恒例となり、19年は「入魂のショパン」10周年を記念し、ショパンが作曲した全240曲(独奏曲、協奏曲、声楽曲、室内楽曲)をすべて演奏するという前人未到のプロジェクトを行っている。

深まる理解

〝ピアノの詩人〟と呼ばれるフレデリック・ショパン(1849年、ウィキペディアから)

「ショパン物語」はショパンの軌跡を追っていく。ショパンは1810年、ポーランドで生まれた。当時のポーランドはロシアに支配されていた。ワルシャワからウィーンを経て21歳のとき、パリに赴く。そして男装の麗人として知られた作家ジョルジュ・サンドとの出会いと別れ。ショパンは二度と祖国の土を踏むことなく生涯をフランスで過ごし、39歳で早世した。

横山は「台本を書いての演奏会は時折やっていました。パリに到着した若いショパンは将来の期待と祖国の心配などの気持ちが入り乱れていました。史実に基づいて書いています。サンドとの出会いなど場面場面を切り取って話します。マニアは別として、ショパンがどんな生活をしていたか、境遇だったのか、どんな時にこの曲を書いたのかなどを知らない人も多いのです。朗読付きのコンサートで理解度が深まります。演奏だけのコンサートとは音楽への入り込み方が違ってきます」と話す。

人生の背景に

よくある曲の解説をしながら演奏するレクチャーコンサートとは違うという。

「一つの文学として台本を書いています。芝居の台本を書くような感じです。演奏と朗読、ステージ全体が作品なのです。一人の一生なので休憩なしで進めます。普通のコンサートより若干短いですが、映画が休憩なしなのと同じです。ショパンの人生の背景に音楽が流れます。音楽に入り込みつつ自由に想像を膨らませてファンタジーとして聴いてほしい」と話す。

著名なピアノ協奏曲第1番と第2番はワルシャワ時代に作曲された。サンドと交際、暮らした10年に及ぶ日々は「24の前奏曲集」「幻想曲」「舟歌」など多くの傑作を生み出した。ショパンの人生にとって祖国ポーランドの民族舞曲に由来する「ポロネーズ」は欠かせない。1842年に作曲された人気曲「英雄ポロネーズ」はこのコンサートで演奏される。

「ショパンの作品は1回聴いても飽きずに何度でも聴けるのが人気の秘訣です。飽きやすい作品もありますが、ショパンの曲には深みがあるから飽きないのです。コンサートでショパンの作品の高み、深みにお客さまを連れていけるかどうかです」と話した。

公演は1月31日午後1時半開演、東京・初台の東京オペラシティコンサートホールで。(江原和雄)

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