15日に閉会した通常国会では、衆参両院の憲法審査会で、過去に例を見ないほど活発な審議が行われた。特に衆院では2月以降、ほぼ毎週のように憲法審が開かれ、計16回(23時間34分)の開催は過去最多となった。改憲を党是に掲げる自民党だけでなく、改憲に前向きな日本維新の会、国民民主党が議論をリード。9条改正ありきの議論には反対とする立憲民主党や共産党も審査会に出席し、立場を表明する方針に転じた。
衆院憲法審は2月10日に今国会初の自由討議を開催した。最優先で審議する新年度予算の成立を待たずに憲法審で審議を始めるのは異例だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、自民は「緊急事態のオンライン国会審議」の可否は喫緊の検討課題だと主張した。
2021年の衆院選で野党の構成が変化したことが審議促進を後押しした。改憲に慎重な立憲が議席を減らす一方、維新と国民民主が伸長。両党は今国会で、審議日程を調整する与党の会合にそろって出席し、審査会運営を主導した。毎週木曜日にほぼ定例化した憲法審では、オンライン審議のほか安全保障や地方自治など多岐にわたるテーマで議論した。
5月12日には憲法9条を巡る本格討議を今国会で初めて開催。自民が9条1項(戦争放棄)、2項(戦力不保持)を残しつつ、自衛隊を明記する憲法改正を訴えたのに対し、立憲や共産は拙速な改憲議論を批判した。
今国会では参院も計7回(10時間32分)の憲法審を開催。隣接する都道府県の選挙区を一つにする「合区」の問題などを議論した。自民の福田達夫総務会長は今月9日の記者会見で、改憲機運の醸成への手応えを示し、「日本社会がどうあるべきか、どのような憲法が欲しいのか、国民の理解を得ながら足を踏みしめ進めていく」と述べた。だが、立憲の泉健太代表は15日、国会内で記者団に「憲法審だけ回し、その他の委員会は開催日にも開かず、恣意(しい)的な国会運営がみられた」と批判した。
今後の注目は、参院選後もこの審議ペースが維持されるか否かだ。与党など改憲勢力が議席を伸ばせば改憲発議に向けた動きが加速する可能性がある。一方、立憲が議席を減らすなどして執行部が交代した場合、憲法審の開催自体を拒否する強硬路線に回帰するとの見方もある。【東久保逸夫】
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