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H3ロケット構成の完成形、2号機はブースターなしLE-9だけの構成で打ち上げ - ITpro

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 「H3」ロケット2号機を、固体ロケットブースター(SRB)を装備しない、「LE-9」エンジン3基だけの構成で打ち上げる――。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2022年10月3日、種子島宇宙センターで開催した記者会見で、こう明らかにした。同日、現在開発中の次世代型ロケットH3の初号機に搭載するLE-9エンジンの性能を確認する領収試験を同センターで実施し、報道陣に公開。その際の記者会見で、JAXA H3プロジェクトマネージャの岡田匡史氏が述べた。

LE-9領収試験の様子

LE-9領収試験の様子

(写真:松浦晋也)

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 具体的には、H3ロケットのCFT(Captive Firing Test:実機型タンクステージ燃焼試験)*1を2回実施する。2022年11月に、第1段をLE-9エンジン2基とした構成で最初のCFTを実施。その上で、2022年度中の打ち上げを目指しているH3初号機は、メインのLE-9を2基、SRBを2基の「H3-22」コンフィギュレーションで打ち上げる。

 その後、LE-9を3基構成で2回目のCFTを行い、2023年度に打ち上げを予定しているH3の2号機の打ち上げは、LE-9エンジンが3基でSRBを持たない「H3-30」コンフィギュレーションとする。

*1  CFT(Captive Firing Test:実機型タンクステージ燃焼試験) 射点で完全に組み上げた機体を使って行うエンジン噴射試験。機体のタンクに詰めた推進剤でエンジンを噴射し、機体システム全体が正常に機能するか否かを確認する。初号機打ち上げに向けた最後の試験となる。

 これまで日本の衛星打ち上げ用大型ロケットは「H-II」「H-IIA」「H-IIB」とすべてSRBを装着していた。SRBを搭載せず、本体にLE-9エンジンだけ搭載する機体構成はH3で初めて導入するもの。この形式をとる2号機の打ち上げが成功して、やっとH3は「完成」と呼べる段階に到達することになる。

LE-9エンジン

LE-9エンジン

三菱重工業・田代試験場(秋田県大館市)では、既にLE-9エンジン3基を同時に運用する燃焼試験を実施している。種子島では、実機にLE-93基を装備してCFTを実施する。写真は2020年2月に撮影したもの。(写真:松浦晋也)

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