日本の暴力団勢力は衰退傾向にあるが、2016年に始まった六代目山口組と神戸山口組の対立抗争は今も継続している。
警察庁のまとめによると、全国の暴力団構成員や準構成員らの2021年末時点の人数は、前年比1800人減の2万4100人。17年連続で減少し、統計が残る1958年以降で過去最少を更新した。
2015年8月に六代目山口組が分裂して神戸山口組が結成され、警察は16年3月に両組織が対立抗争状態にあると判断した。18年には神戸山口組の傘下組織の一部が任侠山口組(20年に絆会と改称)を結成し、21年末までに抗争に関連するとみられる事件が23都府県で86件発生。うち70件で275人の暴力団構成員らが摘発された。 21年には、神戸山口組を脱退した「池田組」(岡山市)を岡山県公安委員会が指定暴力団に指定。また、神戸山口組の中核として活動し、後に独立した「山健組」(神戸市)が山口組に復帰する動きがあった。
構成員と準構成員らを合わせた主要団体の勢力は下表の通り。最大組織の六代目山口組は前年比300人増の8500人で、全体の35.3%を占めた。神戸山口組は結成時2015年に6100人いた勢力が、1000人余りまで減少した。この両団体に絆会、池田組、住吉会、稲川会の主要団体を合わせると1万7200人で、全体の71.4%を占めている。
2021年末の暴力団主要団体の勢力
警察庁のデータをもとに編集部作成
21年中に摘発された暴力団勢力の人数は、前年比1454人減の1万1735人。最も多かったのが覚せい剤取締法違反の2985人。以下、詐欺1555人、傷害1353人、窃盗1008人、大麻取締法違反764人など。殺人は91人だった
バナー写真:特定抗争指定暴力団山口組山健組の本部事務所近くの関連施設に家宅捜索に入る兵庫県警の捜査員ら=2021年11月12日、神戸市中央区(時事)
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